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ギッ。
いつも通り、椅子に背中を付け、足を組んで本の準備をする早瀬君。
「告られてた？
もしかして」
本を読み出す前に聞いてみた。
「……」
早瀬君はゆっくり私の方を見る。
「気になる？」
無表情での意外な返しに、今の出来事のせいですっかり忘れていた昨日の記憶がブーメランのように急に頭に戻ってきた。
かぁーーーー。
擬態語を自分の口で言ってしまいそうなほど顔が赤くなる。
鏡見なくても分かる。
「気に、なら、ないしっ」
「ふーん……」
ギッ。
椅子の軋む音。
いつもの調子の早瀬君。
私のエリアとの温度差が激しくあるような気がして、自分で自分がいたたまれない。
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