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「果歩りん、なんか今日元気ないね」 「そんなことないよ」 月曜日。 恵美ちゃんが私の席にやってきて、心配そうな顔で覗き込む。 「クマできてるよ?」 「……昨夜夜更かししちゃって、ハハ」 なんだかんだで考え過ぎてしまって、昨夜は寝付きが悪かった。 我ながらこんな性格、さよならしたい。 「果歩りんちゃんっ」 名前を呼ばれてビクッとした。 「あー……、高田じゃん」 恵美ちゃんが笑いながら声の方向を向く。 教室の中に軽やかに入ってきた高田君は、いつの間にか私の席の前にしゃがみこんで下から見上げる。 ……うん、いつも思うけど、高田君て人との距離が近いよね。
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