2-第3話

３

「おぴさ！
果歩りんちゃん」

にっこり笑顔の高田君は満面の笑みで手を上げる。

ただの授業間の休み時間だから、教室には早瀬君もいて、私は何故かソワソワする。

無論、こちらは見ていないのだが。

「ねーねー、果歩りんちゃん彼氏いるって本当？」

「げ、高田何でそれを」

何故か恵美ちゃんが慌てる。

あれ？

恵美ちゃん達がとっくに言っているんだと思っていた。

私はチラリと座っている早瀬君の遠い背中を見て、

「……うん」

と、控え目に頷いた。