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修了式前日
今日は午前中授業だったため早く帰れた。
「暖人ー帰ろうー」
席が隣同士である彼に声をかけた。
「おうー」
荷物をまとめると二人でいつもの道を帰りはじめた。
「あー、明日修了式だ。もうウチら高三だよ」
「そうだな、早い」
忙しくなりそうだなと思いながら歩んだ。
「それに、明日通知表来るしな」
ははっと笑う彼。「やばいかもしれない」とぼそりと私は呟いた
「そういやさ、言ってなかったけど、俺今週の日曜にこの街出ていくから」
…え?
「此処出ていくの…?」
「あぁ。」
そんな…
彼は優しく微笑んでいる。
「ごめん、ちょっと用事あるから私駅の方行くね」
なにやってんだ私。
「え、ちょ」
彼の言葉を遮り私はこの場を去った。
逃げるように…。
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