スーパースター

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きっと今、女の子と付き合ったりしてないから どうでもいい事ばかり気にするんだ。 メアド交換が済むと、その子は ケータイを大事そうに持って嬉しそうに笑った。 「ありがとう。メールしてもいい?」 「うん。いいよ」 (やっぱ、女の子は可愛いよな) 様子を盗み見していたクラスメートから 後で散々冷やかされたが、悪い気はしなかった。 そうだ、そうだよ。 女の子は良いよな。 可愛いし、柔らかそうだし、それに それに…… 何と比較してるいるというのか、 俺はひたすら“女の子は良い”と 自分に言い聞かせるように何度も心の中で 繰り返し呟いた。 「1年~~各自、来たら 10周ランニング終わってから柔軟開始~」 「うぃーす!」 マネージャーの声でそれぞれ来た順に 校内周回に走り出す。 「よぉ」 後、1周って所で合流してきた中村の声で そっちを向いた。 「おお。遅かったなお前」 中村は中学の時からの友達で部活も 一緒だったから、かなり仲が良かった。 「なんかHR長引いてさぁ、もう面倒くさいったら」 「大変だったなぁ」 「あ。ていうかさぁ~聞いたぞ、ユ~ズちゃん」 突然、変な言い方でニヤニヤしながら 俺に絡んできた。
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