アイツとの出会い

7/9
前へ
/143ページ
次へ
高校の部活、悩んだけどやっぱりサッカー部に入ることにした。 始業式が終わって、講堂を出ると校舎は静かなのに グランドでは野球部とサッカー部だけが練習していた。 自ずと足がそっちへと向く。 「束、先帰ってるわよ」 母親が俺を見つけ、何か言ってる様だったが 俺は練習風景に見入っていて 「あ?ああ」 と曖昧に返事をした。 暫くグランドを見ていたら、不意に後ろから声をかけられた。 「入学おめでとう。入部希望者、かな?」 振り向くと上級生らしい優しい感じの人がいて、 自分から、マネージャーだと教えてくれた。 「ありがとうございます!そのつもりです。 よろしくお願いします」 「うん。宜しくね」 再びグランドの方に目を戻す。 活気があり、選手の動きも良い悪くない、 そう感じるには充分だった。 ただ、ここで全国を狙えるかは分からないけど がんばろう、アイツの事もこれを期に忘れよう そう思いながら家路についた。
/143ページ

最初のコメントを投稿しよう!

228人が本棚に入れています
本棚に追加