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新入生で入部希望者は土曜日にグラウンド集合と
事前に掲示板で張り紙がしてあった。
しかし、当日は雨で、集合場所は
体育館に変更と各クラスに
サッカー部員らしき人達が連絡に回ってきた。
緊張の面持ちで行くと体育館には
新入生と思しき十五人くらいの奴らと、
その先で柔軟をしてる先輩ら。
顧問の先生が来たところで皆に集合が掛かった。
「……まだ遅れてきてる人がいるみたいだけど、
まぁ取りあえずいっか。
じゃ端から自己紹介してもらおうか」
先日会ったマネージャーの岩倉さんが
手元の入部申請書と俺達の数を見ながらそう言うと、
「俺は三国中の……」
一人ずつ名前、出身中、希望のポジション、
あと簡単なプロフィールの口にしていく。
いよいよ最後、俺の番と思った時、
「スミマセン。遅れました」
と声がした。
俺は自分の番だったこともあり
緊張してあまりよく聞こえなくて、
「えっと……俺は……」
照れながらも顔を見上げたが
誰も話してる俺の方など見ていなくて
俺を飛び越して後ろにその視線が向いていた。
一様に驚く顔、ザワザワ話す声。
俺も釣られて後ろを振り向き、そして
他の者と同様に固まってしまった。
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