シフトノブの温度

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「あっ」  シフトノブから引っ込めようとしたわたしの手に、彼の温かで大きな手が重ねられた。そしてそっと握られ、彼とわたしの手でギアチェンジ。 「君に触れると、涙が出そうなほど君への想いがこみ上げてくるんだ。なぜだと思う?」 「それは…」  わたしも同じよ、と続くはずの言葉は、わたしを暖かく満たした彼からの愛情で胸がいっぱいになって言えなかった。 ーENDー
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