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「あのー……」
早苗の小さな声に、男性はピクリと反応をする。
ぱちっと目を開けて早苗の顔をじっと見ると……再び瞳を閉じた。
「……ちょっと! なんでまた寝るんです!?」
早苗は男性の肩をゆすった。
「んん……」と、不機嫌そうに男性は顔をゆがめる。
「今日からお世話になります、樋口早苗です!
ここの職員の方ですよね!?」
男性は眉をゆがめてうなずく。
面倒くさそうにそのまま奥の扉を示した。
「……館長がいる。
まずはそっちへいってくれ」
業務開始まであと一時間もあるじゃねえか、といって、男性は机に顔をふせた。
それ以上対応する気はないのか、寝息がきこえる。
早苗はため息をついて奥へと向かった。
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