246人が本棚に入れています
本棚に追加
しばらくしてカーテンの隙間から現れた先生に、実優の連絡先を書いてほしいと月野に紙を渡した
月野から紙を渡された俺は実優の連絡先を書いて 渡す
「今のところ、熱もないし 呼吸も安定してるから… 少ししたら目が覚めるとは思うけど、念のため もし症状が変わるようなら私から家に連絡いるわね」
「はい。よろしくお願いします」
月野は礼儀正しく先生に頭を下げた
俺は実優が気になって、月野みたいに器用に頭を下げるとか、それどころじゃない…
ただ実優が寝ているベッドをジッと見つめていた…
大丈夫だよな…
実優はバカだから、すぐ目覚ますよな…
「とりあえず、ここは任せて授業に戻りなさい」
「はい。一樹、行くよ」
「あ?あぁ……」
実優を残し俺と月野は教室へ戻された。
目が覚めるまで、そばに付いていたいのが本音だが、そんなこと俺の口からは言えなかった。
教室へ戻ると、亜果利が心配そうに実優の容態を聞いてきた。
月野が運んだから、月野に聞いてくれと だけ伝えると実優のいない席の隣に座る
その後も月野は、周りの女子に囲まれ 一躍、ヒーロー になったかのように モテはやされていた
まんざらでもなさそうに、ハニカミながら答える月野
実優が、あんな状態なのに、よくチヤホヤされて、笑ってられるな
若干、イラつきながらふと隣に目線をやる
いつもなら、この席で 馬鹿みたいな、マヌケな、顔して寝ている実優
その実優がいない授業は、なぜか上の空で、授業内容なんか全く耳に入ってこなかった。
最初のコメントを投稿しよう!