3 幼馴染みのアイツ (一樹side)

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授業が終わり、休み時間にさしかかった頃 教室に実優が慌てた様子で姿を見せた 良かった…… 目が覚めたのか 実優の姿に安心して口元が緩むのを見られたくない一心で咳払いで誤魔化した。 そして、実優は席に座る 「お、無事に生還したか」 しかし、実優を前にすると どうしても俺は素直になれず こういう聞き方しかできない 「はいはい。生還いたしましたけど」 ふてくされた様に言う実優… 「思ったより大丈夫そうじゃん。まっ、実優がいなかったおかげで、久々に授業に集中できたわ。あ、後でノート写させてって頼んできても見せてやらねーからな。実優に貸すと ヨダレ付きで返ってくるもんな」 こんな事が言いたいんじゃない 「はあ?ヨダレ付き?ヨダレなんか垂らしてませんけど」 鋭い目付きで俺を睨む からかうつもりはないのに…… 「よく、言うよ。授業中 ヨダレたらしながら爆睡してただろ」 つい、いつもの調子でからかってしまう すると、突然 「あー!」 実優が椅子から立ち上がった 「何だよ、いきなり大声出すな!鼓膜破るだろ」 俺が大袈裟に耳を押さえて言った後、実優は焦りながら俺に聞く 「ねえ、月野くん どこいるか知ってる?」 はっ… また月野かよ…… 「は?月野?知るか」 月野の事なんか俺が知るわけないだろ 俺の言葉に、実優は鞄を持つと慌てた様子で月野を探しに教室を出ていった。 「ったく、月野が なんだってんだよ」 ふいに漏れた本音…… きっと実優には聞こえてはいない
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