3 幼馴染みのアイツ (一樹side)

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しかし、実優はさっきから短いスカートばっか出すけど、まさか そのスカート穿いて月野と会うのかよ。 実優は分かってんのか? 相手は月野で友達かなんか知らないけど性別は男だということを そんなん穿いて行ったら、だめだろ 俺は、見慣れてるからいいけど… 月野は見慣れてないわけだし そもそも無防備過ぎる… 俺はベッドに置かれたスカートをチェックしたあと実優に口を開いた。 「あんまり短いの穿くなよ」 俺の言葉に実優の手が止まる そしてベッドに広げられたスカートを見た実優 すかさず、俺は茶々をいれた 「実優の大根足は、ある意味 犯罪だからな。周りの迷惑になるから止めとけ」 実優はプクッとフグみたいに膨れて口をすぼめる ふっ、いちいち反応が可愛いんだって… 照れ隠しにゲーム画面を見つめていると実優は残念そうな、落ち込んだ声で呟いた 「じゃあ、ズボンにしようかな… 」 いつも、穿いているジーンズをクローゼットの奥から取り出す 普段、穿いてる分 だいぶ古くなったジーンズ いや、待て いくらなんでも… それを穿いていくのは、実優が可哀想だろ 月野の前で可愛い格好はしてほしくはないが、このジーンズだけは…… 自宅用にした方がいい そう思った俺は少し考える まあ、短いスカートじゃなければ問題ないだろ だとすれば…… 俺は、クローゼットの一番 端にかかっている見覚えのあった黄色いワンピースを見つけ、指を差した 「……それ、黄色のワンピース。それなら、いいんじゃないの?」
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