4 揺れる心…

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4 揺れる心…

「一樹の、バカ!信じらんない!」 「実優、落ち着いて。どうしたのよ~」 私はあれから、一樹にキスされてから逃げるようにして音楽室へと向かった 結局、チャイムがなった後だから遅刻しちゃったわけで ぜーんぶ一樹のせい 突然キスなんかするから、私は…! お昼休み、屋上で友達の早苗とランチ中 タコさんウインナーにフォークを思い切り突き刺し、口をタコのように、すぼめる 「怖いから、実優。タコさんには何も罪はないんだから普通に食べようね~」 「ふん!一樹のバカヤロー!」 私は残りの おかず を一気に口に放り込んだ ランチが終わって教室に向かう途中 廊下で5人くらいの女子生徒に呼び止められた 何か悪い予感がした私は、着いて来ようとする早苗に「教室で待ってて」と言い残し、5人の女子生徒に囲まれながら歩いていった 人気のない裏庭につれてこられた私 悪い予感は的中しそう… 5人のうちのリーダーっぽい 私より身長が高めで体格のガッシリした女子が 近付いてくる 壁側に押された私に逃げ場はない 「ねえ、あんたさ。幼馴染みか何か知らないけど、一樹くんとキスしたって本当? この子が見たって言ってんだけど」 隣に立つ、眼鏡をかけた大人しそうな子を指差しながら言ってきた 大人しそうな女子は、終始 モジモジしながら答える 「わ、私 見ました!教室で一樹くんと、貴女が…キスしてる場面を」 ……嘘でしょ…あれ見られてたんだ私 「どうなんだよ。キスしたんだろ?」 いやいやいや キスしたってより、されたって感じなんだけど
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