247人が本棚に入れています
本棚に追加
/343ページ
4 揺れる心…
「一樹の、バカ!信じらんない!」
「実優、落ち着いて。どうしたのよ~」
私はあれから、一樹にキスされてから逃げるようにして音楽室へと向かった
結局、チャイムがなった後だから遅刻しちゃったわけで
ぜーんぶ一樹のせい
突然キスなんかするから、私は…!
お昼休み、屋上で友達の早苗とランチ中
タコさんウインナーにフォークを思い切り突き刺し、口をタコのように、すぼめる
「怖いから、実優。タコさんには何も罪はないんだから普通に食べようね~」
「ふん!一樹のバカヤロー!」
私は残りの おかず を一気に口に放り込んだ
ランチが終わって教室に向かう途中
廊下で5人くらいの女子生徒に呼び止められた
何か悪い予感がした私は、着いて来ようとする早苗に「教室で待ってて」と言い残し、5人の女子生徒に囲まれながら歩いていった
人気のない裏庭につれてこられた私
悪い予感は的中しそう…
5人のうちのリーダーっぽい 私より身長が高めで体格のガッシリした女子が 近付いてくる
壁側に押された私に逃げ場はない
「ねえ、あんたさ。幼馴染みか何か知らないけど、一樹くんとキスしたって本当? この子が見たって言ってんだけど」
隣に立つ、眼鏡をかけた大人しそうな子を指差しながら言ってきた
大人しそうな女子は、終始 モジモジしながら答える
「わ、私 見ました!教室で一樹くんと、貴女が…キスしてる場面を」
……嘘でしょ…あれ見られてたんだ私
「どうなんだよ。キスしたんだろ?」
いやいやいや キスしたってより、されたって感じなんだけど
最初のコメントを投稿しよう!