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「実優!!」
開かなかったはずの、扉から一樹の叫び声が聞こえてきたのだ
一樹……
せっかく来てくれたけど、私 もうダメみたい
このまま地面に落ちちゃうよ……
「実優!!このまま俺の上に来い!受け止めてやるから!」
ドスン!
私は、跳び箱と共に そのまま一樹の上へ落ちていった
跳び箱は運良く私と一樹を避けるように散らばる
一樹は尻餅をつきながらも、私の身体を右手で支えた。
「ったく、危ねぇよ。危うく跳び箱の下敷きになるとこだったし。地味に痛いしさ… 」
一樹の、おかげで無傷な私
「ごめん…」
痛そうに顔を歪ます一樹に気づいた私は、一言 謝ると身体をどかそうとした瞬間だった
いきなり一樹の腕が、立とうとする私の身体を自分の胸へと引寄せたのだ
「ったく…大袈裟なんだよ…。10段で落ちたって何ともねぇのに。高所恐怖症にもほどがあるだろ。ま、実優が無事で良かったけど……」
何よ… その言い方
10段だって怪我するときは怪我するんだから
それに、何で私は一樹に抱かれてなきゃいけないのよ
そもそも何で一樹は、ここにいるわけ?
でも、これで出られるってことか!
「それより実優……怪我ないか…」
「え?あ、うん。私は平気… 一樹が受け止めてくれたから。って、一樹は?大丈夫なの!?」
「まあ、実優の体重がのし掛かったんだから、 足やられたかも。なんせ実優のデカ尻が思いっきり落ちてきたからな」
デ、デカ尻!?
私、普通サイズだもん!
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