4 揺れる心…

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「ごめん、待たせちゃって…」 慌てて校門前まで走ってきた私に中学から変わらない優しい笑顔で迎えてくれた 「そんな急いで走らなくても、良かったのに」 「だって、ずっと待ってたでしょ?」 「ハハ… そんな待ってないよ。本当、佐伯は何も変わってないよな」 笑いながら私の頭を撫でまわす月野くん 乱れた髪を直しながら、私は首をかしげる 「ん?何が?」 私の質問に、月野くんは苦笑しながら 「何でもない。こっちの事… じゃあ一先ず行くか」 と言うと先に歩きだした その後を付いていく私 10分ほど歩いて、その間 会話すらなく連れてこられたのは人気のない小さな公園。 色褪せたベンチに座る月野くん 私も続いて月野くんの隣に座った 心臓が、うるさいくらい高鳴っている 月野くんに、聞こえそう…… 今日は……あの日の告白の返事しにきたんだよね… 月野くんは、何て答えてくれるのだろう… わざわざ言いにきたってことは、期待してもいいのかな… なんて、なんて、なんて…… いくらなんでも、もう3年も経ってるし… それはないか… 「佐伯はさ…」 さっきまで黙ったままだった月野くんが突然、私の名前をよんだ。 「…え?何?」 緊張してることがバレないように、明るく振る舞う 「俺が転校する前、佐伯から告白もらって返せてなかった事なんだけど…」 きた… ついに、この時が来た… 私は緊張のあまり生唾をゴクリと、静かに飲んだ
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