4 揺れる心…

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でも、今さら? 今更、過去形で好きだったって告白されても嬉しくも何ともないよ 今の私じゃなくて、あの頃の…中学生の頃だった私に伝えてよ 何なの? 人の事、振りに帰ってきといて 自分を良い風に見せようとしちゃってさ 月野くんって、八方美人だったんだ。 「わざわざ、話してくれてありがとう月野くん…でも、あんまり聞きたくはなかったかな」 「亜果利が、佐伯にちゃんと 話さなきゃ駄目だって言われて… ごめん」 は?亜果利に言われたからだったの? そもそも亜果利、関係ないじゃん 何で亜果利が、口を出してくるのよ ……何か、もういいや もう、どうでもいい。 「そう。話はもう、終わった?」 私は開き直ったように、いつもより明るめに笑顔で月野くんに聞いた 「あ、あぁ…」 「そう。じゃあ、私 帰るね。亜果利の事よろしくね。月野くん」 「佐伯……」 「じゃあね!」 私は、立ち上がると月野くんの声を、さえぎるように私は走り出し公園を後にした 公園から、遠ざかり 走る速度を落とす私は トボトボ歩きながら考えていた 亜果利は、一体いつから月野くんの事を好きだったんだろう 中学時代から? それとも…月野くんがこっちに来てから? 亜果利から告白したとは決まってない 月野くんからしたかもしれない。 私の初恋… 初恋は実らないというけど… 本当にそうだ。 初恋は実らないか…… それも経験だよね。 でも、あの時… 月野くんは何で私に返事をくれないまま引っ越しちゃったの……? 最後に聞いとけば良かったかな…… 今は、それだけが私の中で引っ掛かっていた。
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