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一樹の気持ち?
一樹の気持ちって何?
私の事、さんざん バカにしてきたじゃん
他の女子の前では良い子ちゃんぶってるくせに
私の前だと全くの逆な態度
それの何の気持ちに気付けっていうのよ
「一樹の気持ちなんか、分かるわけないじゃない。だって、一樹は私の前だと 性格違うんだもん。そんな、裏表がある人の何の気持ちに気付けっていうのよ」
私は声を震わせながら一樹に言った。
「それは……」
一樹は言葉を詰まらせる
抱き締められていた一樹の左手が、静かに私の体から離れたあと、私の中で張りつめていた気持ちが一気に爆発した
「悪いけど私は一樹の所有物でもなんでもないよ。勝手に 俺でいいじゃん。とか言わないで。私、月野くんがダメだからって簡単に気持ちが変えられるほど軽くないんだから!」
「は?何だよそれ… 俺は別に実優を所有物だなんて……」
一樹は何か言おうとしていたけど
私は、その言葉を無視して部屋から飛び出していた。
一気に階段をおりて
玄関で靴を履いていると、後ろから おばさんの足音が近付いてきた。
「あら、実優ちゃん。もう帰っちゃうの?お菓子持って行こうと思ってたのに… ほら、実優ちゃんの好きなクッキー焼いたのよ?」
おばさんが焼いてくれるクッキーが何よりも大好きだった私
甘いバターとココアの香り…
食べたいけど、、、今は そんな気分じゃない…
一樹が下りてくる前に帰らなきゃ…
せっかく焼いてくれた おばさんには悪いけど…
今は、早く 一樹から離れたい……
「ごめんなさい… 私、用事を思い出したので帰ります。一樹には お大事にって伝えてください…」
私は、おばさんに頭を下げると 急いで外へ出て家へと走って帰った。
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