5 サマーキャンプは嵐の幕開け

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「よし、カレー作りといきますか」 アルミ鍋を網の上に設置し終えた私は、屋内にカレーの材料を取りに行った 調理室と書かれたプレートのドアを開けた私の目に飛び込んできたのは…想像を絶する光景だった。 私の目の前に現れた光景は 一樹と見知らぬ女子が、キスしてる場面だった 他に誰もいないみたいで、部屋には一樹と その女子 そして、偶然に出会した私… ちょっと…… 何なの? 固まる私に「きゃー」と言って顔を真っ赤にさせなが一樹から離れる女子 「きゃー」って、言いたいのは私の方なんだけど 一樹の方を確認すると私から目を背けたまま動こうとはしない ふーん。 誰とでもキスできるんじゃん。 あの時の言葉は嘘だったんだ ま、関係ないけど私には。付き合ってもないし、好きでもないし 私はズカズカと、部屋の中に入り 「これ、もらっていくから。後、暇だったら少しは手伝いに来たらどう?こんなところで油売ってないでさ… ね?班長さん」 食材が入ったボウルを手に取った私は、一樹に背中を向けながら言った 私の言葉に何も反応を見せない一樹 無視かよ…… 逆に、過敏に反応を見せてきたのは今にも泣き出しそうになっている女子だった 「あ、あ、あの… 私…… ごめんなさい」 被害者ぶったような表情で私に謝る 「何で謝るの? 別に謝られるような事されてないんだけど」 「だ、だって… 神谷くんと 仲が良いみたいだし、付き合ってるのかと思って……」 ん?付き合ってないんだけど 「バカじゃない?何で私が、こんな奴と付き合わなきゃいけないのよ。誰とでもキスするような人は、お断り。なんなら、一樹と付き合っちゃえば?」
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