5 サマーキャンプは嵐の幕開け

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ーーーーーー サマーキャンプといえば、定番の行事… 「今夜は肝試し大会をするぞ!各自、二人ペアを組み 指定されたコースを時間内に進んでもらう」 子供の頃に少ししたことがある肝試し大会が開催されようとしていた。 肝試しって、子供じゃないんだから… と、思いつつ 内心、怖い私 早苗を誘おうと声をかけてはみたが 「ごめん。私、牧村くんとペア組んじゃった」 早苗は申し訳なさそうに両手を合わせ私に謝った。 私より男子を選んだのだ。 牧村 陽平 うちのクラスの、生徒会長だ。 早苗ったら、いつの間に牧村くんと仲良くなったんだろ サマーキャンプはカップルを作る場なの?って感じよね 「佐伯さん…」 早苗に振られた私は肩を落としていると、羽鳥くんに声をかけられた 「肝試しのペア。一緒に組んでもらえない?ほら、佐伯さんとは この機会にもっと仲良くなりたいし。あ、別に変な意味じゃなくて…… 単純に友達になりたいから」 少し照れくさそうに誘ってきた羽鳥くん そうだ。私も この機会に男友達を作るチャンスだ。 羽鳥くんなら、真面目そうだし いい友達になるよ絶対。 「うん。よろしくね羽鳥くん」 「あー良かったー。内心さ断られたら どうしようかと思ってたんだよね」 羽鳥くんは、眉を下げハハハと笑う。 一樹とは全く真逆の性格を持つ羽鳥くんと友達になれるチャンスに私は心がワクワクしていた 一樹なんて、せいぜい詩織ちゃんっていう子と仲良くしとけばいいのよ。 別に気にしてなんかないし 気にもならないし 私は私で羽鳥くんと仲良くなるんだから この時の私は、これから起こる 予期せぬ事態など予想もしていなかった。
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