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「次だね。佐伯さん」
開始してから30分余り
先に何組かのペアが行き、最初の方に出ていった組は もう帰ってきていた
小さな懐中電灯を渡され、羽鳥くんと共に出発する
「足下、気を付けて。懐中電灯あっても結構 暗いから」
確かに、懐中電灯なんて意味がないくらい 辺りは真っ暗で
時々、風で草木が揺れる音が乾いた空気に響く
ちょっと…… 怖いレベルじゃないんだけど…
「佐伯さん、大丈夫?」
「え!あ、だ、大丈夫大丈夫……」
って、正直なところ全然 大丈夫じゃないんだけど…
今からギブアップして引き返したいくらいだ
羽鳥くんに迷惑かけたくないから、前に進むしかないけど
進むしかないんだけど、、、
さっきから、ガサガサ何か動く音が聞こえてきて足が、すくみそうだし
どうか何かの小動物とかでありますように……
そう願いながら前に前に歩いた時だった。
(ガサ!!)
「ひぃ!!」
さっきよりも大きな音に私は立ち止まり思わず変な声をあげてしまった
「佐伯さん、大丈夫だよ。捨ててあるナイロン袋が風で動いた音みたいだから。ほら、あそこにあるでしょ?」
羽鳥くんが懐中電灯で音がした方を照らす
すると、ナイロン袋が枝にひっかかったようで風で揺れていた。
あ、、この音か……
って!そもそも、こんな場所にゴミすてないでよね。
本当、迷惑!
おかげで、変な声出しちゃったじゃない
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