5 サマーキャンプは嵐の幕開け

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「佐伯さん、手繋ごう?僕が先に歩いてリードするよ」 「あ、そんな悪いし……」 「いいから、ほら」 え?…… そう言うと羽鳥くんは私の手を握ってきた 「ちょっと…誰かに見られたら噂されちゃうよ」 「こんな暗いんだから大丈夫だよ。それに……僕は別に噂されてもいいんだけどな。佐伯さんとなら、逆に嬉しい」 「え?」 その言い方って、まるで… 私と羽鳥くんが… いや、それは考えすぎでしょ ただ羽鳥くんが気を使って言っただけだよ 何、勘違いしかけたのよ私は 「僕さ、妹がいて 妹が小さい頃、迷子にならないように こうして手を繋いでたんだよね。今は妹も大きくなったから迷子になることはなくなったけど。佐伯さん見てると小さかった頃の妹のこと思い出すんだよ。僕、妹が一番 大好きだから。あ、変な意味じゃなくて家族として」 ん?妹? 羽鳥くんが、こんなに私に対して親切なのは 私の事、もしかして妹と被って 見えちゃってたから? そういうこと? 「あ… 佐伯さん、時間ないから少し急ぐけど もし早かったり、怖かったりしたら遠慮なく声かけて」 「あ…… うん。ありがとう…」
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