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出掛ける日になり、洋服を悩んで決めて、私は新宿に向かった。 入院していたのは三日間だけだったけど、前よりも友達と出掛けたりするのが楽しみになった。前は、それが時間があれば当たり前に出来ることだと思っていたからだ。 新宿駅に着くと、もうみんながいた。もちろん、里絵さんも。 「おはよう、美羽。相変わらず、可愛い格好だねー。」 「おはよう、莉佳。そんな事ないよ。今日はどこに行くの?」 「色んなところー。たまには、ぱーっと遊ばないとね。」 水雫は莉佳に対して、莉佳は遊びすぎ、と言って皆笑った。最初は洋服を見るみたいで、大きめのショッピングモールに向かった。 その間に、里絵が私もいて大丈夫?と聞いてくれた。もちろん、大丈夫だよと答えた。すると、里絵はどこか安心したように微笑んだ。でも、その笑みには寂しさも含まれている気がしてどこかもどかしさを感じながら、私は皆に付いていった。 ショッピングモールには、いっぱい洋服があった。どれもこれも女子らしい、白とかピンクとか黄色の服ばかりで、すごいなーと思いながら見ていた。私は今日は何も買わなかったけど、皆は一着、二着買っていた。私にとっては見ているだけでも楽しかった。今はお金をあまり持っていないし。 お腹が空いてきて、お昼は皆と喫茶店で食べた。色んな具材が入っているペペロンチーノですごく美味しかったし、果物が入っているフルーツティーも美味しかった。 そして喫茶店で満喫した後は移動して、文房具店や雑貨屋を巡っていた。そんな風にぶらりと遊ぶのも楽しくて、気が付いたら私は里絵とも楽しく喋っていた。 その後は解散し、私は家へと向かった。その道中では、今日のことを考えながら歩いていた。全体的にすごく楽しい一日だった。まだ私は、里絵のことを思い出せないから、少し気を遣う部分もあるけど、今日のうちにまた仲良くなれた気がする。だから、私の一番の友達だったというのも納得できる。 ただ、今日の中で気になることが一つあった。 それは、雑貨屋のことだ。 私たちが行った雑貨屋は、私の夢の中に出てきた雑貨屋と瓜二つで、そこを見た時に頭が一瞬痛くなったのだ。その時何か思い出せそうな気がしたけど、結局何も思い出せなかった。だから、収穫は別になかったけど普通に楽しい時間を過ごせた。だから、今はその楽しい時間に浸っていようと思う。
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