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不思議な夢を見た。それは私が新宿駅に向かって歩いている時に、泥棒に会ったというものだ。泥棒は一人いて、彼が泥棒だと分かったのは、見るからに怪しい格好をしていたから。私以外に彼を見ている人はいなくて、私だけがそこにいた。それを少しおかしいと思いながら、また歩き始めた。すると見ていたことに気がついたみたいで、泥棒はおい、と私に向かって叫んだ。だから私は急いで逃げ、気が付いたらいつも通っている学校に着いた。そして、そんな所で夢は終わった。おかしな夢だと思わない?
そう、友達の松田有紀に話すと不思議そうな顔をしながら、有紀は笑った。
「美羽、推理小説の読みすぎだよ。たまには私みたいに恋愛小説を読みなさいよ。そしたら、幸せな夢をきっと見れるようになるからさ。」
「そういうものかな。」
「そういうものだよ。」
教室に入ってもうーんと考え込みながら、有紀と喋っていた。すると、一人の子が近寄ってきた。
「おはよう、美羽と有紀。どうしたの、美羽?難しい顔して考え事かな。」
「あー、何か不思議な夢を見たんだって。」
「そうなんだ。美羽、本当にどうしたの?」
有紀の隣にいる子を私は知らないけど、どっかで話していたのかな?呼び捨てで呼んでいるし。
「ねえ、私話したことあったけ?」
私は知らない子にそう聞いた。それを聞いた有紀とその子も困惑していた。
「美羽、それ本気で言ってる?」
「うん、話したことあるのかもしれないけど、私はどうにも思い出せないんだよねー。」
私は軽く言ったけど、有紀とその子は驚いたような顔をしていた。私、何か変な事言ったのかな?そう考えていると、思い当たることが一つあった。私がこの子を完全に忘れているということに…。
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