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お隣さんは毎日僕の家にやって来る。
“ピーンポーン”
ほら、今日もやってきた。僕がドアを開けると、彼はいつもの満面の笑み。
「おはよう。今日も元気にやってるかい?」
「…いい加減、用もないのにここくるの、やめてもらってもいいですかね」
「いいじゃないか。それに今日はちゃんと用事があってきたんだ」
彼は手に持っていた白い箱をグッと僕の前に持ってくる。
「今日は誕生日だろう?」
「あー…」
そういえば前に話したかもしれない。
「ショートケーキをもってきたんだが…君はきらいかい?」
「い、いえ…僕は好きですけど」
「そうか。それならよかった」
僕が戸惑っていることを気にかけもせず話を続ける。
「ということでボクは誕生日会を開くことにした」
「え?あっ、ちょっと!」
何が「ということで」なのかわからないが、彼は当然のように僕をおしのけて靴をぬぎ、あがってしまった。
「はあ…」
僕は彼のぬぎちらした靴をそろえながらため息をついた。
「おーい、なにをやっている?おそいぞ」
僕がなにをやっているのかも知らないで…
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