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リビングに向かうと、そこは別世界のようだった。
最低限のものしか置かれていなかった殺風景な部屋はどこへいったのか、賑やかなパーティー会場へと様変わりしている。
「どうかな?びっくりしただろう?」
「びっくりした…」
というか、時間もなかったし、荷物もケーキ以外もってなかったのにどうやったんだろう。
もう、人間わざじゃない。
心からびっくりしました、はい。
「さあ、プレゼントだ。開けてみたまえ」
はいはい。お決まりのびっくり箱でしょ?
「どれどれ…」
箱を開けてみる。顔の位置は避難させ、目をつむる。
…あれ?来ない…
おそるおそる目を開けると、ばね仕掛けの人形なんて存在していなかった。
「どうかしたのか?」
彼はニヤニヤ顔で笑っている。
…はめられた気分。
中をのぞくと、綺麗な小箱が入っていた。ほんとうにまともなプレゼントとは…
「オルゴールだ。もちろんボクのお手製だ」
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