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「でもこれ…使えないとおも」
「そんなわけないだろう。このボクがつくったんだから」
そういう意味じゃないんだけど。
しぶしぶオルゴールを開く。
「ごふっ」
あけたとたんに顔に衝撃が。
な、なに?
確認するために、反射でつむった目をあけた。
目に入ったのは、オルゴールといわれた箱から飛び出したグローブだった。
……訂正。この人がまともなものをくれるわけがない。
「くっくっく」
彼の方を見ると、こらえきれずに笑っている。
「オルゴールっていうのはうそじゃないよ。これをとれば…ほら」
彼はそのグローブに手を伸ばした。すると、ぽろっと取れた。
こんなの、どうやってつくるんだろう。
この人、だいたいなんでもできるんだよな。その才能を違うことにいかせればいいのに…
オルゴールを鳴らしてみた。すると、たしかにきれいな音が鳴った。
音が『もしかめ』なのが謎だが。
「くっくっく」
微妙にゆがんだ僕の顔をみて笑ったのか。
改めて考え方が子供っぽいな、と思った。
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