お隣さんは変人。

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“ワンワン!!” 「な、なんだ!?」  いきなりの犬の鳴き声に驚いている。  白い、大きめの犬が僕の元へ駆けてくる。 「その犬は!?」  彼は驚いているだけでなく、怯えているようにもみえた。 「言いませんでしたっけ?僕が飼ってる犬です」 「言われてない!」 「あれ?じゃあなんで…」  ……ああ、そういうことか。  このとき、僕は今の状況を完全に把握した。  でも、普段、常にいたずらされてるからか。魔が差した。  もう少し、言わないでおこう。 「ケーキ、もってきてくれたんですよね?」 「ああ!とっておきなんだ。ぜひ食べてみてくれ」 「おちつかないでしょう?おいてくるので待っててもらえますか」 「待ってるから、心おきなく行ってくれ」  救われたといわんばかりだ。  そんな彼をあとにして、部屋を出た。
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