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「はいこれ。お誕生日のプレゼント」
花ちゃんが銀色の紙包みをくれた。ネクタイか。
「あれ。僕の誕生日、知ってたの」
「最初に会った時にお聞きしたでしょ」
僕は、花ちゃんがそんなことまで覚えていてくれていたなんて、と感激した。
「それより、お誕生日にここに来て平気なの? デートは?」
「彼女なんていないよ」
「本当?」
花ちゃんは嬉しそうに笑って、僕の手を取った。これ、期待していいのかな。
花ちゃんが席を外した隙に、僕はボーイを呼んだ。
「花ちゃんの誕生日はいつなのか教えてくれる?」
「かしこまりました。少々お待ちください」
僕も花ちゃんの誕生日にプレゼントをしよう。
ボーイはさりげなく小さな紙に花ちゃんの誕生日を書いて、僕に渡してくれた。
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