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花ちゃんの秘密
仕事が忙しくて、なかなか花ちゃんの店に行けなかった。やっと区切りがつき、僕は疲れた気持ちを癒そうと花ちゃんに会いに行った。
「指名はございますか」
「花ちゃんを」
見慣れないボーイに言うと、ちょっと困った顔をされた。
「申し訳ありません。花は退店いたしました」
なんだって。昨日だって、僕の贈ったブレスレットをつけて笑っている画像を送って来たんだぞ。
店長らしき男が飛んできて頭を下げていたが、僕は上の空だった。
「お客さん」
見知らぬボーイがやって来て囁いた。
「花の本名は ナクリといいます」
えっ。日本人じゃなかったのか。
「フンシンというボーイと一緒に、金を持って国に帰りました」
ああ、あのボーイか。ちょっと浅黒い肌の、やはり黒目の印象的な男だった。
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