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暗くて悪臭ただよう空間に幸せを夢みた子供達は閉じ込められていた。
そこからでたら幸せになれると………出ても苦しみが待っているとは誰も思っていなかっただろう
笑い声と銀色の機械………
「くるな、さわるな。」
叫んでイノは、飛び起きた。
嫌な夢を見たものだ
イロイロやることがありしばらくは思い出すこともなかったのだが。
入口から淡いピンクの光がさしこんでいる。
ここは『ウニバルゾ』、宇宙空間ですらない場所だ。
『ソトワアメダヨオハヨカナ?ココヨルナイ。』
相棒のイリスが入ってきてイノのそばの岩に止まった。
相棒と言ってもイリスは鳥形ロボットだ。
「そうだな。」
イリスを肩に乗せイノは外にでた
半分、造りものの体には雨はしみる。
俺達は機械がないと生きられない………。
しみじみ感じる。
普通に暮らせる仲間とは違う。
自然と共に暮らす『アース』にはコンピュータも電気もない。
イノと同じように体を失った人々は他のシティから来たコハクと一緒に出ていった。
イノは今は亡き同士から託された娘のために残った。
この岩の柱は一見木にみえるが実際岩に無数の木がからまっている。
ここから、村と村の境界でもある渓谷がよく見える。
今の時期は村人の大半は商いに行っている。
商いのないイノは薬草を取りに出掛けるのが日課だが調子が悪いときはあちこちにある洞窟で休んでいる。
そんな日々のなかふと村人達はめったに行かない高くそびえる山脈の向こうをイリは見たくなった。
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