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だが、その白い犬は異例だった。
彼が現れた途端、子供達は歓声をあげ彼に群がる。
彼も嬉しそうに尻尾を振り、目を細めて子供達に撫でられ放題だ。
思わずパトロール中の保護者も、自転車から降りて足を止め
「大人しい犬ね。いい子だ」
と感心するほどだった。
だからだろうか?
その犬が教室に迷い込んできても、
教師達は誰も保健所に連絡をしなかった。
その日たまたま教室の入り口が開ていた事。
…単に日直当番が閉め忘れ、
たまたま教師も気付かなかっただけなのだが…。
彼がわざわざ一番奥の教室の1組に来た事。
それはただの偶然であるかもしれない。
でも私には、彼が自らが選んで来た事。
彼には最初から全てを悟っていたのだ…。
そう思えてならない。
その犬はそのまま学校に居つく形になり、用務員さんがドッグフードと水を与え、
半ば学校で放し飼いと言う形になった。
彼は「ジョリー」と名付けらた。
当時大人気だったあるアニメに登場する犬から取った名だ。
ジョリーは2年1組を中心に可愛がられていく事になる。
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