第二話 ジョリーと愉快な仲間達

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ジョリーは皆とかけっこが大好きだったようだ。 ジョリーとこども達は 追いかけっこやサッカーでよく遊んでいた。 子供たちの笑顔。 楽しそうな笑い声。 ジョリーの嬉しそうな表情。 ただ純粋に楽しむ。 誰かに褒めて貰おうとか。 誰かに気に入って貰おうとか。 そういった姑息な駆け引きが一切ないピュアな空間。 子供たちを見つめるジョリーの瞳は いつも慈愛に満ち澄み切っていた。 誰かが転びそうになると、 ジョリーは素早く走ってきて屈み込み、 その大きな背で子供を支える。 乱暴者が駆け寄り、 「大丈夫か?」 と手を貸し、助け起こす。 まるで事前に示し合わせたかのような 見事な連携プレイだった。 私は一人、 ジャングルジムからそんな光景を眺めている。 不思議と満ち足りた、幸せな気分だった。 まるで映画のワンシーンを見ているかのような、 そんな気持ちにさえなっていた。 そんな気分で見てたのは私だけではない。 校長は校長室から。 厳しい教頭、口うるさい教務も職員室から。 ジョリーと子供たちが楽しそうに遊ぶ姿を 目を細めて見守っていた。 学校と校庭が まるでサンクチュアリ~聖域~となったかのような…。 本当に、 夢のような日々だった。
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