第三話 衝撃、そして懺悔

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その日は曇りだった。 帰りがけ、いつものようにジョリーと皆が 楽しそうにサッカーをしてるのを見かけた。 その時は例の乱暴者トリオとその取り巻きの計8人で遊んでいた。 本当に楽しそうに遊んでいた。 ジョリーも 楽しいね!嬉しいね!皆大好きだよ! と全身で表現しているようにキラキラと一際輝いて見えた。 それは太陽の煌めきを思わせた。 私は4年生のお姉さんと、同級生の女の子と3人で帰宅。 帰宅後、ランドセルを置いて 出迎えた母親に伝えて遊びに通学路に戻る。 田んぼ、土手道、野生の花や自生している桑やアケビがあったり 四季折々の草花を楽しめたので、 「妖精ごっこ」等の一人遊びが大好きな私は、 よく通学路で遊んでいた。 そして通学路の途中で、前方から先程見かけた8人の男の子たちが、 ジョリーを真ん中に囲い、 楽しそうに騒ぎながらこちらに向かってくるのが見えた。 いや、走ってきた、と表現すべきか? 私は、直感で何だか嫌な感じがした。 不意に近づいてくる彼らとジョリーに異様な程の恐怖を感じ、 咄嗟に近くにあった竹林のなかに身を隠した。 恐怖に身を震わせつつ、彼らが通りすぎるのを待つ。 幸いな事に、 彼らはワンちゃんに夢中で私には …というより周りには全く気づいていないようだった。 何故、嫌な感じがしたのだろう? 段々彼らが近づいて来る。 胸が痛いほどドキドキし、冷や汗が噴き出す。 「や~い」「ばぁかばぁか」「ほ~らこの野郎」 と楽しそうに叫んでいる。 楽しそう…。 確かに楽しそうなのに、何かがおかしい。 バン、ボン、バスッ 鈍い音も聞こえてくる。 恐怖に震えおののきながら、 竹林の影から見ていると… 信じられない光景が目に飛び込んできた。 嫌な感じがした原因がそこにあった。 私は瞬時に凍りついた。
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