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「リュー殿、おはようございます。
今日も民衆の方々の声を聞かれながら登校されたのですか?」
教室に入るともはや、ルルカ=ゴーブルによる恒例のお出迎えを受ける。この半年で色々と変わるも彼女は変わらない。
特に…いや、言うまでもないだろう。とにかく変わらないのだ。強いて言えば、髪が少し長くなったかも知れない。
「今、すごーく失礼なことを考えてられませんでしたか?…られましたよね?」
肉体の某部分に視線でも感じたのか?
ルルカの瞳からは光は消え、包丁が似合いそうな仕草で詰め寄ってくる。
どうやら、彼女の肉体的コンプレックスに対する劣情は健在のようで、ここで解答を間違えれば生存の目は危うい。
「いや、俺の将来の伴侶は魅力的だなと思って眺めていただけさ。」
しかし、そこは長い付き合い。ルルカの乙女心に付け込み、強烈なカウンターをお見舞いするのであった。
程なくして静止していたルルカは火竜のように真っ赤に?を染めて仰向けに倒れる。まさに言霊一つでダウンであった。
「おっす、今日は久々に目覚まし時計が正常に動いたぜ。」
次に教室に入って来たのは、ラーゼルト=リッターで周囲に黄色い声援を振り撒く女生徒のオプション付きだ。
最上級生になってからは、ラゼルの人気は凄まじく、常に何かしらの理由で女生徒に付きまとわれている。
「おはよう、ラゼル。今度、新しい目覚まし時計でも買いに行くかい?」
勿論、原因は目覚まし時計でないことは当人達を始めとする見物する生徒までもが分かっている。
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