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そして、最後にミシェリア=ターラン。前列の席に座りながら学友からノートか何かを写させて貰ってる真っ最中だ。
半年前とは異なり、肩まで伸びた金髪は襟足で切り揃えられている。同時にそれは彼女の努力の片鱗でもある。
王国騎士団の最高峰、神聖騎士団に入ってからのミーシェの努力は見てる側が不安になるほどのものであった。
突き詰めた結果、肩までかかる長い髪は訓練に適さなかったのだろう。授業にも出られないことが度々ある。
「ちょっと、良いでしょうか?
アマル=アルマデリアと申します。貴方様のFC会員でございます。」
次に訪ねて来たのは、金髪に編み込みを入れた如何にも貴族と言わんばかりの他クラスの同級生であった。
「FC…俺のね。それで、アルマデリアさんは俺に何の用があるんだい?」
FCの存在を知って溜息が出そうになるのを飲み込み、早いところ用件を済ませてしまおうとするも…
「…会員内の抜け駆け防止のために、今後は特定の女性と付き合わないと表明して貰いたんです。」
目が点になった…今のリュオの表情はそんな感じだ。一瞬、目の前の女性が何を言っていのか本気で分からなかった。
有名税とは良く言ったもんだ。周囲に目を配るも期待できそう輩はいない。明らかに楽しんでいるのが分かる。
同じ立場のラゼルも諦めている。ルルカの方は…気が気でないのかオロオロと狼狽えるのがチラ見でも分かる。
「アルマデリアさん、俺が既に他の女性と交際していると言ったらどうしますか?」
更なる燃料の投下に場は騒然とする。そして、一番ダメージを受けたのはアマルではなく何故かルルカであった。
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