252人が本棚に入れています
本棚に追加
「お嬢ちゃん、運がいいね。お探しものの超魔法水アムリタがコレさ!」
水の都の怪しい露天商がリュオを呼び止める。ボサボサの黒髪に下卑た笑いを浮かべながら黄緑色の液体が入った丸フラスコを突き付ける。
「こう見えておrーーッ」
普段の習慣で思わず、お嬢ちゃんという言葉を否定しそうになるが否定できないし否定する理由がないことにリュオが気付く。
「おとう…コホン。妹ちゃん、安易にその手の商品を買わないこと。どーせ、中身は大概は媚薬やらろくでもなーーッ」
そこまで言い掛けて、トチカは自分の掌で言葉を遮る。そして、次第に瞳が煌々と輝き始める。
「一縷の望みに賭けましょう、妹ちゃん!!もしかおかしなことになったら、きちんとワタクシが介護して差し上げますので!!」
「トチカさん、見境ないんですか!!わたし、今はこーですけど中見は男ですよ?そのこと忘れていませんか!!」
「キリスお姉様をリスペクトしてらっしゃることも大きいですが、あの見た目でしたら許せますわ。それがワタクシ好みに可愛くなってしまわたのであれば…ね?さぁ、お薬のみましょうね、黒の病に打ち勝つために…やましいことなんてこれっぽっちもないですわ!」
ハァハァと息を荒げ、両手をワキワキと動かしながら一歩また一歩とにじり寄ってくる。
その瞳は肉欲に支配されており、やましいことしか考えてないのがダダ漏れであった。
「くっ…敵として処理する!!」
その後、3回ほど同じやりとりをして激突。最初の超魔法水アムリタこそ回避できたものの。怪しい水を2本飲まされてようやくセントフェアル女学院へと辿り着いたのであった。
最初のコメントを投稿しよう!