第1話 新たな門出、野望募る学園生活

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ミーシェは爆煙で姿を隠したまま、最小限の動きで音もなく飛ぶ。狙いはリュオの背後に回って頭から落ちること。 リュオの背後に広がるのは虚空。本来ならば、足場がなく着地は困難。それ故に警戒が薄くなるのは必然。 勿論、死ぬ気は更々ない。背面から肺を強打して動きを止める。その後は安全柵に足でも引っ掛けてやれば何とでもなる。 爆煙を突っ切った先にあったのは青空。爆煙はリュオの背後までは回っておらず、ミーシェの存在にまだ気付けていない。 …もらった。そう確信するのと同時に背後から爆煙が追って来た。否、爆煙がリュオを中心に渦巻き始めたと言うべきか。 この現象をミーシェは知っていた。自然の力を一箇所に掻き集め、武具へと変換させるリュオ最大の戦闘方法…封刃解放。 そして、ミーシェの周囲は爆煙の流れが僅かに滞っている。それを考えれば、居場所が割れたと思った方が良いだろう。 「来て見なさい、私はココにいる!!」 刹那、それに応えるように爆煙の先から漆黒の刀剣が突出する。対空中のミーシェにそれを避ける術はない。 そのまま、真っ直ぐに刃先が腹部に食らい付いた直後…ミーシェの身体がその場でグルリと大きく一回転する。 勿論、それだけでは終わらない。回転を推進力に変えて、刀剣の使い手…リュオのいる方に向かって一直線に蹴りを繰り出す。 結果、リュオはその場から押し出され、ミーシェに居場所を奪われた形で落ち着いた。 「成程、アレは居場所を教えてくれたんじゃなくて誘導されたんだね。」 爆煙の中から人影が近付いてくるのが見える。それは爆煙が薄れていくにつれてリュオの姿に象っていく。 目立った外傷はない。それもそのはず、カウンターで繰り出された一撃は金属のようなもので阻害されていたからだ。
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