第1話 新たな門出、野望募る学園生活

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「フレイディアといえば、鍛治の国と呼ばれる他に緋天騎士団が有名ね。  これは王国騎士団、紅蓮騎士団の前衛で後に統合されることになったの。」 ダリアの解説で何人かの生徒がリュオを見た気がした。同じ騎士団のクラダもドヤっているが誰も見ていない。 「…火炎斬術にも王国流、始源流、クラダ流と色々あるのだよ?」 解説に合いの手が入れられるも、一般的に知られてない知識の上に胡散臭い流派が混じっているので誰も耳を貸さない。 ちなみにリュオが使っていたのは大陸由来の始原流で、紅蓮騎士団の一般団員が扱っている王国流とは少々異なる。 大きな違いはないが、敢えて分別するならば始原流は自衛用で難易度が高く、王国流は対人に特化した戦争用のものが多い。 どうでも良いが…クラダ流は見た目が派手で目立つもの、身体機能低下に特化したものが多いやら何とやららしい。 「次は神国アーエリアス。  代々、山巫女と呼ばれる一族が神託によって統治する神国よ。」 この国に関しては誰もが名前くらいは知っているだろう。隣国に加えて農作物の輸入の大半を頼るなど繋がりも強い。 そして、ここ最近は国境付近で不穏な動きを見せているという情報が定期的に…しかも、王国民にまで漏洩している。 何でもアーエリアスに所属する霊峰騎士団。その残党が国境近隣にある集落を無差別に荒らしまくっているそうだ。 何度か討伐隊を差し向けるも、広大な領土に隠れ蓑にした旅団を探し出すのは至難の技で事態は解決の兆しを見せない。 広大な領土故に討伐隊の遠征にも多額な軍事費を要し、規模を縮小させれば返り討ちにあってしまう事も多々ある。 そう言った事情も合間って、王国民は神国アーエリアスの名前に対して敏感になっているのが現状である。 「例の件もありますが…飽くまで噂ですので偏見を持たないようにね。  さて、お次はアーエリアスの歴史を紐解き、学んでいきましょうね。」 あからさまに重くなった教室の空気を緩和させようとするも時は既に遅し。時間だけが悪戯に過ぎていった。
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