第2話 暁の終焉…繋がれた命

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「ならば、避けてみるがいい。」 ユルムガルドの大きな口が開かれた。大気が震え、ありとあらゆる精霊力が掻き集められ押し固められていく。 充填された精霊力は光輪となって現在進行形で圧縮されていく。先程までの比ではない、恐らくは勝負に出たのだろう。 「予言してやろう、お前は弱くなった。  それ故に背後にあるミュステルム跡地を見捨てられずに消滅する。」 ミュステルム、数年前に王国に滅ぼされた大国だ。そして、恐らくはリュオの見た追体験の舞台なのであろう。 「ならば、俺も予言してやる。  お前は何一つ破壊することなく、無様に…それも怯えながら敗北する。」 魔王は退くことなく精霊力を解放、更には錬成…研ぎ澄ましていく。後退は微塵も考えない。避けても死んでも負けだ。 ユルムガルドが創り上げた光輪はギャリギャリと音を立てながら中央に向かって圧縮されて密度を上げて行く。 「キュィィィィィィィィィッ!!」 鼓膜を裂くような嘶きを合図に光輪の空洞部から光線が放射される。先程より攻撃範囲は狭く…威力は桁違いだ。 「でぇりゃぁぁぁぁぁぁぁぁあッ!!」 光線が被弾する直前に何かを掴んだかと思えば上空に向かって投げ飛ばす。魔王が掴んだものの正体…それは気流。 信じ難いことではあるが、光線は僅かに逸れて上天へ吸い込まれて行く。だが、光線の全てはまだ放たれていない。 現在も放射されている故に高度を下げることは容易い。光線は勢いを落とすことなく垂直に落ちて魔王に直撃する。 パギュっと何かが押し潰されたような音がするも魔王は健在。光線は魔王を起点に上方斜め四十五度に逸れている。
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