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私は鏡の向こうの私を見た。
私が私を見ている。
不意に向こうの私の顔が緩んだ。
私は迷いなく手を差し出す。
私が私を引っ張ってくれる。
あんなに小さい鏡にすんなり入れるのだから神器とはやはり凄いものなんだろう。
私が最後にみたのはシロのなんとも言えない笑顔だった。
キゼは満足そうなのに、シロだけ苦しそうだ。
そう思ったけど私にはどうすることも出来ない。
自然と涙がこぼれた。
鏡の世界に入り、私は私と対峙する。
「大丈夫、私は敵じゃないよ。私はあなたの代わりにあの世界に行くんだ。」
そう言って笑ってる。
「何で?」
「あなたが自分の本当の名前を思い出せなかったから。だからあなたの一部があの神社に残らないといけないの。」
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