元の世界へ

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「それでいいの?」 「そうなるしかなかったから仕方ないよ。大丈夫、あなたはあなたの人生をちゃんと選んでね。」 「うん…」 「私がいないからあなたはずっと不完全になる。だからあなたの死後、あなたが来る場所はこの神社になるよ。それとあなたは何も思い出さないし、思い出せない。そのことすらわからないまま日常にとけこんでいく。お互いこわいことないよ。」 私が笑ってる。 私は私を最後に抱きしめた。 「ごめんなさい」 抱きしめた時に誠哉との記憶がよぎる。 「こっちこそ、あなたの大切な人の記憶、今までの経験持っていくことになってごめんね。じゃあまたあなたの死後に。」 そう言って私と私は違う道を歩く。 光にたどり着いて1回振り返った。 もう何も無い暗い空間だ。 私は光に足を踏み入れた。
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