元の世界へ

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「でもようやく帰れるんだね。良かったね。君に当てられた願いは見つかった?」 シロは話題を変えてくれた。 「私にあてられた願いはね、忘れることだったんだ。」 あんな真剣な目で言われた。 私は忘れたくないのに、忘れる選択をしなければいけない。 「そっか… 」 シロはしみじみという。 「それは、寂しいね。」 ポンポンと頭を撫でられる。 何故かとても懐かしい感覚がする。 私はご神前についた。 シロはそばにいない。 いるのは着替えたキゼさんだ。 「じゃ、帰ろうね。」 そう言って笑ってくれた。 私は指定された場所に座る。 「あなたに2つ質問をします。1つ目、あなたの名前はなんですか。」 「サヤカ…涼しいに佳と書いて涼佳」 「涼佳さん、あなたの願いはなんですか。」 「お母さんと2人で笑いあって過ごすことです」
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