やっぱり彼は、異形だった

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「ロックさん、明日は私バイトなんだけど」 寝支度を整えベッドでゴロゴロしつつ、私はなんの気なしに口を開いた 「一人でお留守番できそう?」 「え」 言葉はすぐに途切れて静寂が訪れる 視線をゆっくりロックさんの方に向ければ、彼はやっぱり私を見て固まっていた 正直バイトに行けるなら行きたい 体調不良でもないしずる休みっぽくなっちゃうし何かなぁ ロックさんが大変なのはわかるんだけど、それとこれとは別って考えてしまうというか ただでさえ明日はバイトの人数少なかったし迷惑かけるよなぁ休んだら 「あー、やっぱり穴を開けたくないっていうのがあって。いやでもまぁ、ロックさんがひとりでいるのがしんどいっていうのなら...」 休むのも致し方ない こんな状態のロックさんを一人にするのはかなり心配だし あぁっていうかなんか今冷静に考えたら そのあたりの判断ロックさんに任せようとしてるの、狡いか 末っ子気質ここで出るなぁ 重要な判断人に任せようとするの、よくない んー、だとしたら...色々考えると買い物も兼ねて明日はバイトに行くべきだ ロックさんにはすごい我慢してもうことになるけど 背に腹は代えられぬ 「あぁいやごめん、やっぱりうん、明日はバイト行くからお留守番しててください。あぁいやもちろん余裕があれば外出してもいいから」 「...わかり、ました」 そんな気弱な声でわかったなんて言われても、色々と我慢してるのわかっちゃう 前のロックさんだったら強がるのとかもっと上手で、淡々とこういう時も返事してたイメージあるけど 今じゃすっかり素直で あぁちょっとダメだなこれ こういう変化すら愛おしいと思ってしまう ロックさんは今大変だっていうのに 結局他人事にしか思えなくて、不謹慎にもそんな風に考えてしまうあたり 私は薄情な人間なのだろうか 「ごめんね」 いろんな感情の含まれた謝罪に、ロックさんは慌てて「いえそんな!大丈夫です」と言ってみせる いつもだったらこういうタイミングで心を読んで私の発言の意図を見ていたのかもしれない 今はバレないから色々考え放題なわけだけど 特にこれといって考えることもなし、だな今は 「ロックさん」 「一緒に寝よっか」
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