やっぱり彼は、異形だった

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すっと私の末端冷え性の足がロックさんの足に挟まれる もう完全に捕獲されてる感じ 全然嫌じゃないどころか好きなだけどさ、この状態 ロックさんの言葉を少し待つ 彼は静かに呼吸を繰り返したあと、大きくため息をついてまた小さい声で話し始めた 「弱音を、吐いてもいいですか」 そんなこと言われたの初めてだ だから私は変に得意げになってすごい大きい声で話しそうになる それをなんとかぐっとこらえ、ひと呼吸おいてから静かに「もちろん」と言ってみせた あーいやカッコついてないなこれ まぁロックさんは何も気付いていないようだ いつもだったら笑われてる 「何も聞こえないのが、怖いんです。貴女が辛い時、困っているとき、私は何も分かってあげられない」 「以前は触れればわかったことも今は...貴女に嫌われてしまいそうで、怖いんです」 「こんなこと言うこと自体狡いと理解しています、でも、私はそれぐらい、言葉で縛ってしまいたくなるぐらいに貴女が...」 「好きなんです、すみません」 あー...なんだかなぁ 微塵も今の発言嫌と思わないあたり、私も重症なだろうなぁ色々と 「謝らなくていいよ、むしろそういうこと言ってもらえるぐらい好きでいてもらえてるって分かって、嬉しいし」 私だって好きだ ロックさんが、誰よりも 言葉で縛り付けたくなるほど 私だけに振り回されて、私だけに傷付いて欲しいと思ってしまうほど 貴方が好きだ、私も まぁこれは、意地でも言わないけど こんな歪んだ考えを、心が読めるタイミングで思わなくてよかった 読まれてたらそれこそ愛想つかされてしまいそうだ 「っていうか心外だなぁ、心が読めないからって嫌いになるわけないじゃん。第一最初はロックさん心読めるの知らなかったんだし」 「そうですけど...でもあの時だって私は心を読んで、自分のいいように立ち振舞っていました。もうそれができないのは事実です」 まぁそれも確かに いやでもなぁ 大丈夫だと勝手に思っちゃうの、能天気すぎるのかしら私
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