かたぶつ姫

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「ねぇねぇ! 今度、友だちの誕生日パーティーがあるんだ。来ない?」 「え? 友だち? 誰?」 突然そんなふうに持ち掛けられ、思わず聞き返す私。 「知らないけど、誘われたから行こうと思って。 なんだか家が広いらしくて、離れに人をいっぱい集めてお祝いするんだって! 楽しそうでしょ?」 「知らない人の誕生日を、お祝いするの?」 何そのパリピ的発想。 「プレゼントはいらないって言われた。一緒に行こうよ! だって相手、付属の子だよ?合コンみたいなもんでしょ?」 「えぇぇ?」 このあたりで〝付属〟といえば近所の男子校のことを指す。 中高一貫の女子高である、うちの学校の生徒とつきあってる人もいっぱいいるけど、評判は微妙。 「私はいいや」 「ちょぉっと! わかってる? そんなこと言ってるから、いつまでたっても彼氏できないんだよ?」 「ほ、ほっといてよ。 べつに欲しいなんて言ってないでしょ?」
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