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優は山を登り、公園へと向かった。公園までの道は木々に囲まれている。そこら中には木の枝が落ちており、パキパキと踏み折りながら進む。その隙間から差し込む光が、ほんのりと暖かく、今の季節には心地よい空間だ。
「ーー着いた」
入り口には、公園の名前が彫られている。汚れていて見にくいが、「檜山公園」とある。
思ったよりいい公園だ。眺めも良い。自分の住んでいる檜山市が見渡せる。由紀が落ちた場所には、もちろんの如く、柵が造られている。
優は柵を掴み、呟く。
「ここから、由紀が落ちて死んだのか」
一体、何があって、どんな様子で最後を迎えたんだろうか。ーーいや、ただの事故だ、気にする必要がない。
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