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暗くなる前に帰ろう、と優は思い山を下りた。帰りは下りだったから、来る時よりも楽だった。
山を下りながら、優は考える。
由紀に関しての真実を知ったところで、誰にメリットがある?僕か?彼女の母親か?それとも別の誰かか?いや、そんなことは真実を知ってからでないと分かりはしない。じゃあ何のために、僕は真実を知ろうとするのだ。それが分からない。
山を下り、街へと出た。背後から聞き覚えのある声がした。
「ーーゆう」
※
9月24日午前10時。謙也は母親に買い物を頼まれ、夜ご飯の材料を買いに出掛けていた。
「ったく。パシリにしやがって」
謙也はの心の中で舌打ちをした。
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