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午前7時45分。北野優が目覚める。
まただ。また夢に“あいつ”が出てきた。あいつが死んでから1年経つが、まだ出てくる。
優は起き上がり、部屋を出て、階段を降り、食パンを取り出し食べる。ポットに水が入っているのを確認し、沸かす。
ブゥー、ブゥーと携帯が鳴る。画面には飯野謙也と表示されている。数少ない友達の1人だ。優は電話に出る。
「もしもし、優?学校行くついでに本返したいんだけど、お前の家寄っていいか?」
本?あぁ、前貸していた漫画のことか。
「いいよ、わかった。待ってる」
謙也は「じゃあ、また後でな」と言って電話を切った。優はポットで沸かしたお湯をコップに注ぎ、作ったコーヒーに砂糖とミルクを入れ、ズズゥーッと飲む。
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