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コーヒーを飲みながら、優は夢のことを考える。
1年程前、あいつ――水沢由紀が死んでからよく夢に出てくる。由紀は1年程前、事故で死んだ。雨の日、山を少し登った所にある公園の崖から足を滑らせ転落した。夢に出てくるのは、きっと彼女がが僕の恋人だったからだろう。
優が考えごとをしていると、玄関のインターホンが鳴る。「謙也だろう」と思い、玄関をドアを開けた。
「おっ、出たでた。はい、これ借りてた本」
「ん」
優は謙也から本を受け取り、玄関の端へと置いた。
「よし。学校いこーぜ」
優は時計に目をやる。いつも家を出る時間より多少早い。しかし、頼んではないが、折角家まで本を返しに来てもらったのだ。先に行っててと言うのも申し訳ない。
「わかった、ちょっと待ってて」
一旦部屋に戻り、鞄を取ってから家を出た。
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