あの日の出来事

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 優と謙也は一言も交えず、淡々と歩いている。  気まずい…。仲が悪いとかそういうんじゃないが、話すのは元々好きではない。  話を持ち出してきたら話そうと、優が思った矢先に謙也が口を開いた。  「由紀が死んでから、もうすぐ1年経つよな」  ピンポイントな話題過ぎて嫌になる…。  優は答える。 「うん、そうだね」 「お前はもう平気なのか?」  謙也は聞きづらそうに、そして悲しそうな顔で優を見た。 「平気だよ」 「そっか。ならよかった」  嘘だ。優は無理をしている。彼女が死んだんだ、1年経つだけで平気なわけがない。  それでも謙也は追求することはなかった。  
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